大王烏賊は抹香鯨の餌だから食物連鎖的には大王ではない。でも龍涎香は歴史を動かした。

LINEで送る
Share on Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加


(海外ニュースの転載動画)

こんな感じで「NHKスペシャル▽世界初撮影!深海の超巨大イカ」の放送を契機にして各地でフィーバーを巻き起こしたダイオウイカですが、食物連鎖の位置的にはマッコウクジラの餌なので大王感はありません。

sperm-whale-eating-jumbo-squid-mouth_11399_600x450

ところでマッコウクジラは漢字で「抹香鯨」と記します。これはマッコウクジラの腸内結石である「龍涎香(りゅうぜんこう」が古来より医薬や香料として珍重されており、その匂いが抹茶の香りに似ていることに由来しています。

-龍涎香-
龍涎香あるいはアンバーグリス(Ambergris)とは、マッコウクジラの腸内に発生する結石であり、香料の一種である。灰色、琥珀色、黒色などの様々な色をした大理石状の模様を持つ蝋状の固体であり芳香がある。 龍涎香にはマッコウクジラの主な食料である、タコやイカの硬い嘴が含まれていることが多い。 そのため、龍涎香は消化できなかったエサを消化分泌物により結石化させ、排泄したものとも考えられているが、その生理的機構や意義に関しては不明な点が多い。 イカなどの嘴は龍涎香の塊の表層にあるものは原形を保っているが、中心部の古いものは基質と溶け合ったようになっている。

マッコウクジラに補職されたイカの嘴その他が排泄されて龍涎香になる。つまりダイオウイカの嘴も龍涎香には含まれているはず。そして、この「龍涎香」は何と1グラムで数万円単位という超高額で取引されています。昔はマッコウクジラ捕獲解体時にそこそこ採取されていたのが、1986年に商業捕鯨が禁止されてから超貴重品になりました。現代では海岸に漂着したモノや波間に漂っているモノを偶然に拾うしか採取方法がありません。


この幸運な少年は海岸に流れ着いた500万円〜600万円相当の龍涎香を拾いました。羨ましい。龍涎香は海水に浮くのでこういうことが稀に起こります。世界中で年に数回ペースでこのような幸運な事例が報告されていて、ニュースが報道されると直に香水会社からオファーがあるそうですよ。

龍涎香は媚薬としての歴史が長いです。古代より中国では媚薬として後宮の佳麗たちにはなくてはならないものでした。龍涎香の入手に腐心した清朝の宦官は「ポルトガルが倭冦を追い払った」という名目で、ポルトガルにマカオの永久居留権を与えてマッコウクジラを捕獲させ龍涎香を入手していました。つまりダイオウイカはマッコウクジラに食われてその嘴が龍涎香になることで世界の歴史を動かしたと言っても過言ではありません。

大王烏賊は抹香鯨の餌だから食物連鎖的には大王ではない。でも龍涎香は歴史を動かした。というお話でした。

コメントは受け付けていません。