ネットワークにも実体があるから永久ではない。

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アートには耐久力が必要です。
自分の死後、何十年、何百年と時代を超えていける物理的な耐久力がなければ作品は劣化してやがて土に還ってしまうでしょう。

顔料も紙も劣化します。大理石の彫刻だってやがては風化します。紫外線、湿気、災害、戦争・・・。

デジタルデータ化しておけば大丈夫? それは甘い。CDやDVDなどの光ディスクが半永久的に記録できると思われていたのは昔の話。実際には寿命があります。既に商用音楽CDがリリースされて20年以上経ち再生不可能になったCDが数多く報告されています。紫外線や温度変化に弱いCD-Rならさらに早くデータは損なわれます。

それなら「ネットワーク上に公開すれば実体がないから永遠だ」とか思った人は、下のストリートビューを見てください。


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ネットワークにもサーバーという物理的な実体が伴っています。このストリートビューはGoogle社のサーバーフロアの様子です。この膨大なサーバーによってネットワークは存在しています。このサーバーフロア以外にも複数系統でバックアップサーバーが用意されているらしいですが、それら全てを物理的に破壊されればネットワーク上のデータは全て消失することになります。インターネットが登場してまだ日が浅いので耐久力については実証されていないのが現状です。10年後にGoogleが存続しているのか? 100年後にもインターネットは存在しているのか? 断言できる人はいないでしょう。

つまるところ「デジタルの半永久性」や「優れた芸術作品の永遠性」は真っ赤な嘘だということです。だって物理的に不可能だから。熱力学の第二定理、エントロピー増大則。

物質として永遠ではないからこそ芸術作品には現実社会とのつながりや社会への働きかけが必要なのだと思います。それがあれば作品は時を経て劣化しても、後世の人々が必要だと思ってくれれば補修して甦ることができる。あるいは複製と記録が様々な媒体に無数に拡散していく。それこそが真の耐久力なのだろうと思います。

しかし。それでも常に実体を伴うから芸術も社会も永遠ではない。あぁ諸行無常。

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