情報子概論 Ⅲ-4. 自然淘汰圧力と進化

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Ⅲ. 情報子とエントロピー増大則
4. 自然淘汰圧力と進化

自然淘汰が起こる原因となる圧力は大きく二つある。

一つは気候・地形・資源などの地球環境によって生じる「環境圧力」である。気候や地形の変動は進化に強烈なインパクトを与える。大規模な地殻変動や異常気象は地球の生物相を一変させてしまう。過去に4回あった生物種の大量絶滅(6500万年前の恐竜絶滅など)の原因も地球環境の激変が原因だとされている。利用可能な資源が系にどれだけあるのかによって生存競争は熾烈化するので環境圧力は高くなる。セルバ(南米熱帯雨林)の生物種が多様なのは、資源が乏しく環境圧力がとても高いからである。逆に資源が豊かであれば生存競争は緩くなるので進化速度は遅くなる。経済発展と市場淘汰においても資源や気候が大きな環境圧力になっているのは言うまでもない。

もう一つの圧力は、同一の生息域に存在しているモノたちの間に生じる圧力である。バッタにとっては気候変動と同じかそれ以上にカマキリの存在が脅威となっているのは間違いない。餌生物と捕食者はお互いがお互いの圧力になっている。また、異種間だけではなく、交配のためのパートナー獲得という点においては同種の個体間でも競争があり大きな圧力になっている。このような個体間・異種間に発生している圧力を「相互圧力」と呼ぶことにする。ビジネス市場でも企業同士・商品同士が激しい生存競争を日々繰り広げている。

自然淘汰圧力の公式
 「自然淘汰圧力=環境圧力(気候・地形など)+相互圧力(自分以外の全ての情報子)」

そして、自然淘汰圧力の根源にあるのはエントロピー増大則である。気候変動も地殻変動も熱力学の第二定理に基づく対流によってもたらされている。生命は大量の情報子(遺伝子+模倣子)を内包した複雑かつ低エントロピーな存在である。生命活動によって宇宙3要素は複雑化し凝縮され偏在していく。全ての情報子がエントロピー増大則に屈したとき、地球に生命は存在しなくなる。できるだけ長く破局を回避するためには、情報子プール内の多様性を保持することが重要である。そして情報子プール内の多様性を保持させるのは、環境の多様性(自然淘汰圧力の多様性)である。

この投稿に貼り付けてある動画は500万年後〜2億年後の未来の動物を描いた『フューチャー・イズ・ワイルド』という番組のものです。地質学や生物学に基づいて想像された進化した未来の動物たちの姿はとても興味深いです。プロジェクトの中心人物であるドゥーガル・ディクソンの著書には『アフターマン』『マンアフターマン』『新恐竜』があり、よくできているのでオススメです。日本で人気が高いです。

 →情報子概論 Ⅲ-5. たまごの殻と「進化のふち」へ続く

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